尾形です。
今回は人生設計と目標管理についてです。
FIREを目指している方は、少なからず今後の人生に計画を持っていると思いますが、計画の粒度や管理方法には人により差があるかと思います。「計画や目標を細かく設定したい」という人もいれば、「先々のことなんて予測がつかないのだから意味がない」という人もいるでしょう。
そこで今回は僕が実践している人生計画・目標設定の考え方をご紹介します。
一般論では、複数の時間軸を使い分けて目標管理をすることが推奨されています。
例えば、次のようなイメージです。
- 長期目標:人生を通じてやりたいこと
- 中期目標:3~5年後に実現したいこと
- 短期目標:1~3年後に実現したいこと
- 行動目標:~1年以内に実行するタスクリスト
僕もこうした管理をしていたのですが、絶望的に管理するのが面倒です。上記の管理はマニアでない限りは運用が回らない印象を受けました。
例えば以下のような点です。
- 1年経つとそれぞれのリストの中身を転記する必要がある。
- 互いのリストが矛盾しないか(方向性が合致するか)チェックする必要がある。
- 長期目標が放置されないよう、定期的に見直して中期or短期目標に反映する必要がある。
もっとシンプルな考え方はないだろうかと思案した結果、以下のような管理が一番しっくり来ています。
基本となる時間軸を「3年」で捉え、「3年=1サイクル」、「3サイクル=1ステージ」と考える管理です。
サイクル(3年間):目標を管理する単位
ステージ(9年間):役割や使命を管理する単位
「ステージ」は3サイクル=9年間になりますが、基本単位は3年間(サイクル)です。
足元3年間の目標をしっかり管理しつつ、その3年を含む合計9年間に果たすべき役割やテーマを定義します。
なぜ3年間で管理するかというと、時間軸が長すぎると将来が予測し切れず、短すぎると発想が狭まるからです。
個人的にはこの「3年」というスパンが将来を考えられる程よい時間軸と考えます。
3年間の時間軸で捉えると、適度な大きさの目標が設定できるはずです。
たとえば、以下のような目標の粒度であれば3年以内の実現は充分可能な範囲だと思います。
- 転職して年収を上げるために、プログラミングを勉強する
- 3年以内に出世するために、社内基準の「TOEIC800点以上」をクリアする
- 入金力を上げるために支出管理を行い、年間150万円入金できる生活スタイルを定着させる
- 結婚したい相手を見つける
逆に、3年以内に実現できない目標は、目標として大きすぎます。
実現までのステップを分解をしてどこまでを3年間でやるかを考えると良いと思います。
また、1年や数ヶ月単位で目標管理を行なっていると「今取り組んでいる仕事をどう乗り切るか」等、近視眼的な発想に陥りがちで、「今の職場でより高い評価を得るためにどんな付加価値をつけるべきか」「転職すべきか」「キャリアアップのためにどんな仕込みを行うか」等、中期的なアイデアが浮かんで来なくなる懸念があります。
程よいスパンが「3年間」だと思います。
では次に、9年区切りとしている「ステージ」は何かというと、具体的な目標というより、より抽象的な「役割」や「取り組みテーマ」を設定するための区分です。
現状の延長線上に未来を思い描くのではなく、自分が担う役割を転換するためのポイントとして設定しています。
例えば、転職、引っ越し、新たな収入源の確保などです。ステージが変われば自身の役割や使命のウェイトを変えていき、転職して専門領域を拡張する、プレーヤーではなくマネージャーとして成果を上げる、地域のボランティアに参加してコミュニティを広げる、等です。
たとえば、ソフトバンクの孫さんは次のような計画を立てたことで有名です。
- 20代で業界に名乗りを上げる。
- 30代で軍資金を貯める。
- 40代で一勝負して、何か大きな事業に打って出る。
- 50代でそれをある程度完成させる。
- 60代で次の経営陣にバトンタッチし、300年以上続く企業に仕上げる。
このような壮大な計画を立て、それを実行してみせた孫さんは凄すぎるのですが、
上のような計画と日々の行動や目標をしっかり紐づけて管理できている人は少ないです。
「20代で業界に名乗りを上げる」のなら「25歳の一年は何を目指し、どんな行動を起こすべきかのか」というのを明確にイメージできる必要があります。しかし、凡人にはこのような逆算に基づいて常に行動することは難しいでしょう。なぜなら、「壮大な計画」と「日々の行動」には距離がありすぎるからです。
では、凡人はどうすべきかという一つの答えが、サイクルとステージです。
サイクル(3年間)とステージ(3年×3回=9年間)という二つの時間軸の整合を取ることで、中期的な願望を見据えつつ、足元で何をすべきかを考えることができます。
このように先が長い人生に区切りをつけると、「次の9年間を生きるために直近3年間をどう過ごすべきか」といった逆算思考が自然と身につきますし、「3」を基軸にすると分かりやすく目標の体系が整理されると思います。
3年の間に行動すべきことを月別に落とし込んでいきます。検討のステップとしては以下の通りです。
①直近3年間に実現したいことを全て書き出す
②各項目を「いつまでに」達成するか整理する
③月別に行動すべきことを書き出す
④目標間の整合や工数の観点で行動計画を見直す
最初から現実的に考えるのではなく、アイデアを発散させてから収束させるイメージを持つことがコツです。
また、足元3年間であればどのようなライフイベントがあるか、ある程度予測ができるはずです。
ライフイベントも加味して行動計画を立てましょう。
- 3年後の自分は今の会社に居続けるか?転職しているか?
- 出世はしているか?年収はどの程度か?
- (賃貸であれば)引っ越しはするか?
- (お子さんがいれば)子どもは何歳になるか?
また、行動計画を立てるうえでは、目標間の整合をしっかり取ることが重要です。
例えば、「3年以内に資産500万円に到達する」という目標があり、現在資産が320万円だとします。
毎月5万円を貯めていけば5万円×36ヶ月=180万円になり目標をクリアできそうですが、一方で「ハワイに海外旅行に行く」といった目標がある場合には、当然支出も増えますから「資産500万円」を達成するには毎月5万円では足りないという結論になります。よって、①毎月の入金額を上げる、②ハワイ旅行を諦める、③資産500万円を諦める、のいずれかの調整が必要になります。
このように目標間の整合や実現可能性を加味しながら、月別の計画に実行すべきことを書き出していきます。
ここまで書き出せれば、「3年間で実現したいこと」と「月別の行動リスト」が整理されます。
後は「月別の行動リスト」から、いつ・どこで・どのように実行するのかをスケジューラーに落とし込んでいきます。
いかがでしたでしょうか。
今回は人生設計と目標管理の考え方についてご紹介しました。
目標は立てて終わりではなく、適切に管理し、実現させなければそれは夢のままです。
人により好みはあると思いますが、細かく管理していきたいという方にはお勧めの手法です。
気になった方はぜひ試してみてください。
では、素敵な投資ライフをお楽しみください。